※Q&Aでは、ガイドラインをもとに、現時点(令和8年2月現在)における一般的な考え方を記載してあります。
Ⅱ 定義
Q)「不適切な行為」とはどのような行為ですか?
A)「不適切な行為」とは、当該行為そのものは児童対象性暴力等には該当しないものの、業務上必ずしも必要な行為とまでは言えないものであって、当該行為が継続・発展することにより児童対象性暴力等につながり得る行為をいう。
Q)「不適切な行為」はどのように定めればいいですか?
A)不適切な行為は、事業内容やこどもの発達段階など現場の実態に即して検討していきます。現場の従事者とも話し合い、過度に萎縮させないよう留意しながら決定することが重要です。専門家等の意見も聞きながら、既存の慣習等も、再度こどもの視点で見直しを行い決めていきます。「不適切な行為」の具体例はガイドラインにも示されています。尚、「不適切な行為」を定めた場合は、対象業務従事者に対して周知を行う必要があります。
Q)「重大な不適切な行為」とはどのような行為ですか?
A)重大な不適切な行為とは、「不適切な行為」の中でも、対象業務従事者の加害認識や児童等に与えた被害の重大性、悪質性などを踏まえて判断される、より悪質性の高い行為を指します。具体例:児童等の意に反して、必要以上に長時間抱きしめる。執拗に児童等にマッサージをする。等
Ⅲ 対象事業・対象業務
Q)認定対象事業者が認定を受けるための条件は何か?
A)認定を受けるには、以下の体制を整備する必要があります。
①犯罪事実確認を適切に行う責任者の選任
②性暴力のおそれを早期把握する措置(日常観察や面談等)の実施
③児童等が容易に相談できる窓口や担当者の設置
④防止措置・調査・支援方法を定めた対処規程の作成
⑤従事者への研修(座学と演習)の受講 ⑥情報管理責任者の設置と管理規程の策定
Q)義務対象事業者は何もしなくても登録されるのですか?
A)学校設置者等(義務対象事業者)のシステム登録は、登録漏れや情報の誤りを防ぐため、所轄庁が情報をとりまとめて国が一括登録を行う仕組みですが、「事業者が何もしなくても登録される」わけではありません
。
事業者は、まず自らGビズID(プライム等)を取得する必要があります。その後、令和8年4月から6月頃にかけて、所轄庁の案内に従い、GビズIDを含む事業者や施設の基本情報を所轄庁へ提出(登録)しなければなりません
。これらの情報を基に、こども家庭庁がシステムへのデータ取込みを行います。
また、システム稼働後には、事業者が自らログインして、事務担当者ごとの閲覧権限等の設定を行う作業も必要となります 。このように、事前のID取得や所轄庁への情報提供といった能動的な対応が不可欠です。(ガイドライン P331-P335)
Q)認定の対象となる事業者とはどのようなものですか?
A)主な対象は、学習塾やスポーツクラブ、文化教室等の民間教育事業です。
これには「修業期間が6か月以上」「対面による指導」「事業者が用意する場所での実施」「従事者が3人以上」という要件をすべて満たす必要があります。このほか、認可外保育施設、ベビーシッターのマッチングサイト運営者(自らが保育提供主体となる場合)、放課後児童健全育成事業、障害児向けの居宅介護等を行う事業者も認定の対象となります。
Q)大人と児童等の両方を対象としている事業はどうなるのですか?
A)大人と児童の両方を対象とした事業は、本制度の対象として認められます。その際、児童等への教授が事業の「主たる」目的であることまでは求められず、事業の中で実際に児童等への教授を行っていれば、こども食堂での学習支援なども対象となり得ます。
Q)個人で経営している学習塾やピアノ教室も認定の対象ですか?
A)個人経営の学習塾やピアノ教室も、以下の4つの要件をすべて満たせば認定の対象となります 。
1. 講師等の人数が3人以上(アルバイトやボランティアを含む)
2. 修業期間が6か月以上
3. 対面による指導
4. 事業者が用意する場所(教室等)での指導
なお、講師(経営者)が1人だけの教室は対象外です。
Q)講師が1人しかいない学習塾は認定を受けられないのですか?
A)講師が1人しかいない学習塾は、認定を受けることができません。
民間教育事業が認定を受けるには、教授を行う者の人数が「3人以上」であることが必須要件の一つとして定められています。この人数には、正社員だけでなくアルバイトや派遣、ボランティアも含まれますが、実態として教える人が1人だけの教室は対象外となります。
Q)学生がボランティアで行っている活動も対象ですか?
A)学生がボランティアで行っている場合も、業務内容が「対象業務」に該当すれば、犯罪事実確認(日本版DBS)の対象となります 。
本制度は雇用形態や従事期間に関わらず、実態が「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件をすべて満たすかで判断されます。具体的な例でいうと、学習支援スタッフとして児童と一対一で接する場合や、大学サークルの活動で定期的に施設を訪れ支援を行う場合は対象となります。
Q)派遣の学生講師も犯罪事実確認の対象になりますか?
A)学生であることを理由とした例外はありません。また、派遣という形態の場合、犯罪事実確認を行う義務を負うのは派遣元(派遣会社)ではなく、実際に指導を行う「派遣先」の事業者です。派遣先事業者は、派遣元との契約等で手続への協力を求めた上で、学生講師本人に対して直接、戸籍情報の提出依頼や研修受講の依頼を行う必要があります。なお、認定基準の一つである「従事者3人以上」の算定にも、派遣労働者や学生アルバイトは含まれます。
Q)こどもに直接指導しない教室長も犯罪事実確認の対象ですか?
A)直接指導をしない教室長(管理者)であっても、犯罪事実確認(日本版DBS)の対象となる可能性が非常に高いです。法律の定義では、民間教育事業(学習塾等)を行う「事業所の管理者」は「教育保育等従事者」に含まれると明記されています。最終的な対象者の特定は、職名にかかわらず、業務の実態が「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件をすべて満たすかどうかで判断されます。
たとえ授業を行わなくても、面談室で生徒と1対1で話す、受付や施設内で定期的に接する、他の職員の目が届かない状況で対応するといった実態があれば、これらの要件を満たします。事業者は「こどもと密接かつ閉鎖的な環境で接する機会があるか」という実態に基づき、対象者を適切に判断する必要があります。